第九条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。

2 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

私は、上記の崇高な理念は、できることなら、生かしていくべきだと考えます。しかし、現実問題としてこの条文は改正するべきだと考えます。そのことについて少し掘り下げて考えてみたいと思います。

憲法9条制定の背景

まず、この条文が現在の憲法に盛り込まれたのは、太平洋戦争後のアメリカが、二度とアメリカに戦争を仕掛けようとできない国に、日本を列強に戻らないようにするための方策のひとつとして、盛り込ませたというのが、実態です。

実際、占領政策初期には日本の第二次産業、とりわけ重工業は設備等の接収、解体が行われ、日本を農業と軽工業の国へとしようとしました。現在の日本国憲法はこの時期に制定されています。しかし、国際情勢が変わる転機が訪れました。

朝鮮戦争と自衛隊誕生

かつて日本が植民地としていた朝鮮半島。戦後は北緯38度線を境に北側をソビエト連邦、南側をアメリカが分割占領しました。少なくない朝鮮の指導者たちは分割占領後の統一した政権を目指しましたが、米ソ対立の冷戦が始まり、最終的に北側に朝鮮民主主義人民共和国、南側に大韓民国の政府が相次いで成立し、分断されました。1950年、朝鮮民主主義人民共和国がソビエト連邦の支援を受け南へ向けて侵攻すると大韓民国軍は苦戦を強いられ、一時は朝鮮半島の大邱を中心とする南東部にまで戦線を押し下げられる事態となりました。これを見たアメリカは参戦を決め、仁川上陸作戦の成功で朝鮮民主主義人民共和国を逆に中国国境まで追撃しました。ところがこのタイミングで自国の隣国に西側の統一国家が誕生することを嫌った中国が事実上正規軍に近い「義勇軍」を派兵し、戦線は38度線付近にまで戻り、停戦となりました。

この朝鮮戦争の間、日本はアメリカ軍の銃後を守ることになり、一時は風前の灯火だった重工業、とくに軍需産業が経済を支えるようになりました。これはアメリカ軍の方針転換によるものです。つまり、中華人民共和国という東側の国が成立した以上、東アジアにおけるアメリカの存在感を維持し、中華人民共和国を抑えるために、日本に一定レベルの軍事組織を復活させることを命じました。1950年に設置された警察予備隊です。これはあくまで国内の暴動等に対応するための、重装備の機動隊のような位置づけですが、小銃や戦車を保有する事実上の軍隊でした。その後日本が主権を回復した1952年には保安隊となり、最終的に1954年に自衛隊へと発展的解消を遂げたのです。

憲法9条改正は必要

このような経緯からわかるように自衛隊の誕生は当時の国際情勢、つまり、冷戦の影響を受けた結果だということがわかります。1980年代終わりに冷戦は終結しましたが、東アジアにおいては中国がいまだに共産党が政権を握っており、その体制は盤石なうえ、領土的野心を隠そうともしていません。そのことは尖閣諸島への攻勢からして明らかです。

加えて、日本の経済は中東の原油に頼っており、ホルムズ海峡やマラッカ海峡といった地政学上のチョークポイントを抑えることが重要にもかかわらず、有事には基本的に何もできないというのが実情です。

また、現行の憲法は1945年時点の国際情勢に基づいたものであり、中華人民共和国の成立や朝鮮戦争の勃発などで軍事力が必要となり、事実上の軍隊である自衛隊が誕生した1950年代には改正しておくべきものであったと考えます。

ですので、私の認識では、自衛隊は違憲であるということです。

また、国の交戦権の放棄は極めて重篤なことであり、少なくともこの条項の削除は必要だと思われます。

「戦争ができる国=好戦的な国」ではない

ここまで書くと、私があたかも好戦的な人物だと思われるかもしれません。しかしながらそれは事実ではありません。戦争は非常にリスクの高い手段です。それは第二次世界大戦の結果を見ても明らかです。アメリカ相手に開戦した結果、日本はそれまでに得た権益の多くを喪失したばかりか国土も焦土となりました。人的、経済的な損失は計り知れないものです。(一方で第一次世界大戦では日本が連合国側に立ち、地中海まで艦隊を派遣するなどした功績で国際連盟の常任理事国にまでなったのですが…)

ともあれ、基本的にはリスクを選好するのは得策ではありません。可能ならば平和的な手段でものごとは解決するべきです。

さて、話が脱線しましたが、戦争できる国と好戦的な国は分けて考えるべきです。好戦的な国はリスク選好であることから早かれ遅かれ破滅することになります。昔の日本やドイツもそうですし、少し前までのリビアやイラクもそうです。

同じ過ちは繰り返してはなりません。日本を好戦的な国にしようとする連中は排除しなければいけないと考えています。そうではなく、ごく普通の一般的な国にするべきだということです。

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